わずか74年後には、日本の人口が今の半数に減少すると見込まれるなか、“ふるさと熊野”を子や孫に残すために、私たちには今できることがあります。
個性豊かな文化を活かした魅力的なまちづくりも、移住する場所、住み続ける場所として人々をまちに惹き付ける大切な取り組みの一つのはずです。
熊野町は、筆産業とそれにより培われた文化芸術が息づくまちです。このソフトパワーを活かし、この地に住む人々がつながり、まちと文化を未来につなげるため、都市公園と観光交流拠点施設の建設を進めています。

画家野村重存さんが描いた創作館

ふでりんの森プロジェクト『ミロコマチコと筆の木づくり』を開催

9月23日にオープンする創作館のプレイベントの一環として、「ふでりんの森プロジェクト『ミロコマチコと筆の木づくり』」と題して創作体験イベントを行いました。(7月25日開催)
筆の里工房での企画展示「ミロコマチコうごめきなぞる」の開催に合わせたこのワークショップには、乳幼児から大人までの幅広い年代による60人の参加をいただきました。

〈筆の木づくり〉

段ボールで形づくったミロコマチコさんデザインの「筆の木」にアクリル絵の具で思い思いに色付けをし、折り紙やクレヨンなどで装飾しました。
仕上げに、みんなの「大きくなれ」の掛け声とともに作品に水を与えて、「筆の木」の完成を参加者全員で喜び合いました。

筆の木づくり(こども)
筆の木づくり(おとな)

〈ふでりんの森プロジェクト〉

大・中・小の、合わせて約150本の「筆の木」を制作し、施設のオープンに合わせて創作館に展示する、住民参加型の創作プロジェクトです。
今回のワークショップ参加者のほか、町立小学校の全クラスの児童と両中学校の美術クラブ生徒が「筆の木」に生命の輝きを与えていただきました。

筆の木づくり(熊野中学校)
筆の木作品
井上さん親子

井上さん親子(城之堀地区在住)

気になる作家だけど遠い存在に思えたミロコマチコさんと一緒にアート活動ができるこのワークショップにぜひ参加したいと思い、応募しました。今日、久しぶりに子どもたちと一緒に作品を作ってみたら、子どもの成長や感性の違いが作品に表れていて、本当に面白かったです。
創作館では、子どもたちが家ではできないようなことも思いきり楽しめたり、中高生も気軽に参加できたりする企画があったらいいなと思います。デジタル機器から少し距離を置いて、モノづくりなどを楽しんでストレスを和らげることができる、そんな魅力的な場所になることを期待しています。

桝井さん親子

桝井さん親子(海田町在住)

小学校で配られた展覧会のチラシのクジラの絵がすごく素敵でした。ワークショップのことも書いてあり、子どもも喜ぶと思い参加しました。家族全員が絵の具やクレヨンで絵を描くことが好きなので、楽しかったです。
たくさんの「筆の木」でつくられる「ふでりんの森」が9月23日から創作館で飾られるので、見に来たいと思っています。
公園が整備されると、家ではなかなかできない創作や遊具などでの遊びの両方を楽しめる場所になりそうで、楽しみです。

ミロコマチコさんからのメッセージ

ミロコマチコさん

画家・絵本作家
ミロコマチコさん 

1981年大阪府生まれ。絵本、装画、展覧会、ライブペインティングなど活動は多岐にわたり、いきものの姿を伸びやかに描き、国内外から支持を集めている。2012年、『オオカミがとぶひ』で絵本デビュー。 同作で第18回日本絵本賞大賞を受賞。以降、講談社出版文化賞絵本賞、小学館児童出版文化賞など多数受賞。
2019年から南の島に移住し、自然の動きと密接なつながりを感じながら、見えないものの気配や生命の煌めきが濃厚に漂う作品を生み出している。

―今回の今回のワークショップの感想をお聞かせください。

同じ道具で同じ色を使っても、みんな全然違うものができていく。それぞれの手の癖や、筆圧、大胆だったり、丁寧だったり、心に思い描いてるものが表れてくるからおもしろい。
自分なりのテーマで真剣に取り組んでる姿はうつくしく、見ていて嬉しくなります。

―創作館でのこれからの活動に、どのようなことを期待されますか?

絵を描くことは、外の世界の命の“うごめき” からエネルギーをもらい、自分の体を通して描き出すこと。今日も2歳に満たない乳児が無心にクレヨンで遊ぶ姿が見られました。絵には正解なんてありません。 汚れないようにと気にしたりせず、絵を描くことだけに捉われずヌルヌルした感触を楽しむだけでもいい。
新しい施設では、日常では体験できないことができたり、絵だけでなく表現することが「楽しい」「ワクワクする」と感じられたりする、そんな場であってほしいですね。

展覧会 「ミロコマチコ うごめきなぞる」

ところ 熊野町美術博物館 筆の里工房
会    期 令和8年9月23日まで

ミロコマチコ作品『つちたち』(2015年)

本展では、ミロコマチコが描いてきた絵本の世界をはじめ、 長年にわたって愛猫たちのエピソードをつづってきたカレンダー「鉄三、うちの猫たちはね。」の原画や手書き文字の仕事のほか、ダイナミックなライブペイント映像など、筆にこだわった世界を紹介します。

次回のお知らせ

ミュージアムバスの制作や開設記念シンポジウムの様子についてお伝えします。

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